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本物の金継は自然素材のみを使います
KJのオンラインレッスンは、
日本国内はもちろん、
アジア、オセアニア、ヨーロッパなど
世界各地から受講していただいています
特に、ここ10年は
世界の金継人口が増え、
より多くの方に楽しんでいただけるように
なったと実感します
一方、
化学物質を使う「簡易金継」を
本物の金継と混同する人が増えています
ネットで画像検索すると、
「金継」ではそうでもありませんが、
「kintsugi」ではかなり怪しいものが
混じります
KJでは、自然派金継の名のもと、
ウルシノキの樹液である「漆」
をはじめ、
小麦粉、木の粉、麻、砥の粉など
自然素材だけで講習しています
カブレや硬化にかかる時間は、
自然界の摂理として受け入れ、
興味を持って楽しんでいます
最近は、
化学物質を使った金継のことを
「簡易金継」
「樹脂金継」
などと呼んで、消費者にわかりやすく
区別するようになりました
カシュー系塗料(ふぐ印の新うるしなど)
エポキシ樹脂
ウレタン塗料
さまざまな化学物質が
漆の代替品として使用されます
金継の世界で、かなり有名な方にも、
材料が有害で使用方法が限定されること
制作時にじゅうぶんな換気が必要なこと
などのネガティブな情報を出さずに
金継の受注制作や講習
一日体験などを行う人がいますし、
テキストも出版しています
われわれは、
化学物質を使う金継に対して否定派です
金継は
○偶然できた、ユニークな形
○ものを大切に思う、心のはたらき
○それらの邂逅で生まれる、ひらめき
○血の通った手の動き
が結ばれて、出来る作品です
そう、
まさに 運命の糸のように
人と人 人とものとが
結ばれるのです
化学物質を使う理由の筆頭は
「スピード」ですが、
自然に産する土や石と炎によって
作られたやきものを
化学物質で汚染してまで
急いで修理する必要はあるのでしょうか?
われわれと同様、
漆や自然素材にこだわって
金継にかかわる人もいますが、
作家、工房単位で人数も規模も小さく
業界団体も資金も無いため
現状は非力です
平成30(2018)年の
漆の国内消費量は37.7トン
(林野庁 令和元年度 森林・林業白書)
同年の、合成樹脂塗料の販売量は113万トン
(経済産業省化学工業統計)
「漆」と「化学塗料」の市場規模の違いが
おわかりいただけると思います
化学合成接着剤や有機溶剤を除いても
アリと象ほどの差があるのです
今後も努力を惜しみませんが、
われわれだけでは正しい情報を
伝えきれないもどかしさを
日々感じています
間違った認識が世界に広がらないよう、
金継に関わる人で一丸となって
正しい情報を発信できることを
願っています
「金継」だとすべてが含まれてしまうので、
KJでは
「自然派金継」
「簡易金継」
で使い分けてゆこうと思います