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こくそわた

2021.06.11


金継ぎで欠けをなおすとき
刻苧漆で埋めます

金継ぎで刻苧をつけたところ


こくそには二種類あります

✹木屎・・・木彫
<材料>
水・小麦粉・漆・ヒノキ木粉

✹刻苧・・・漆芸、金継
<材料>
水・小麦粉・漆・木粉・こくそわた


正倉院に収蔵されている伎楽面の制作には
「楡木屎」というものが使われたそうです


楡の木の内樹皮を粉末にして
水に濡らすとネバネバするので
それに漆を混ぜます


工藝素材研究所
というブログに、楡木屎を実制作した様子が
紹介されていました


やってみたい!
と思いましたが
ニレの粉末をどうやって入手しましょうか…

近所の街路樹にアキニレが

アキニレの木
福岡市中央区六本松
裁判所横


しかし勝手に樹皮をはがすわけにはいきません💦

楡木屎に使うのは、「内樹皮」といって、
外樹皮の内側のオレンジ色の部分
それはかわいそう・・・

アキニレの外皮


ネットで調べると、
アカニレというニレ属の木の粉末
薬用ハーブとして売られていたので、
さっそくポチりましたww

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さて、
実際に使っている刻苧漆
材料の分量はこのくらい

刻苧の材料



つなぎで刻苧綿(こくそわた)を
ほんの少し入れます


ところで
「苧」ってなんだろう?

苧の検索結果



「お」「を」で
苧や麻を指すようですね

現在、日本の原材料表示で「麻」と
表記できるのは、以下の2種類です

■苧麻(ラミー) イラクサ科の多年草
■亜麻(リネン) 亜麻科の一年草


苧麻(ちょま/苧=カラムシ)は
川べりや道端などに生える雑草で
葉の形が大葉によく似ています

苧 カラムシ ラミー
よく見る雑草


いっぽう、
亜麻(リネン)は
衣服やシーツなどのシャリっとした質感で
おなじみですね

漆芸材料の専門店では
灰色がかった繊維が「こくそわた
として売られています

漆屋さんにたずねたところ、中身は
亜麻(リネン)だそうです


・・・
こちらラミーカミキリ

秀吉の朝鮮出兵のときに
日本列島にやってきたそうです
やきものと一緒に来たんだねー


ラミーやムクゲを好むカミキリムシ

ごはんがいっぱいあるから食べものに困らんよ~♪
むしゃむしゃ

ラミーカミキリ